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健康特集 オリーブオイルの遮光瓶が重要な理由 | 光から守る暗色ボトルの選び方と保存のコツ

スーパーの陳列棚にオイル遮光瓶が並んでいる

健康志向の高まりとともに、日常的にオリーブオイルを使用する方が増えています。
しかし、オリーブオイルを選ぶ際、透明なボトルではなく暗色の遮光瓶に入った商品が多いことにお気づきでしょうか。

この遮光瓶は単なるデザインの問題ではありません。
オリーブオイルの品質を守るための重要な役割を果たしているのです。

本記事では、遮光瓶の重要性と適切な選び方、保存方法について詳しく解説します。

オリーブオイルの遮光瓶の役割

遮光瓶は、その名の通り「光を遮る」役割をになっています。
オリーブオイルは光に非常に敏感で、紫外線や可視光線によって品質が急速に劣化してしまうのです。

遮光瓶は、これらの有害な光からオリーブオイルを守るバリアとして機能しています。

遮光瓶は有害な光からオリーブオイルを守るバリアになっている

なぜ遮光が必要なの?抗酸化作用と光の関係

オリーブオイルの成分の中には抗酸化作用を持つ、光に極めて敏感な成分が含まれています。この成分は、『クロロフィル』という名前の葉緑素。
殺菌効果、デトックス効果、便秘改善、がん予防、抗炎症作用・・・様々な効能を持つこのクロロフィルは、光を浴びて活性化してしまうという欠点があります。オリーブオイルの健康効果や風味を決定する要素の一つで、オリーブオイルに色を与える抗酸化作用の一種ですが、光に対して非常に弱い特性をもっているのです。ですから、遮光瓶によって光を防いであげる必要があります。

クロロフィルは光で光合成を起こし酸化物を発生させる → 油の劣化

光による品質低下の流れ

オリーブオイルが光に当たると、以下の流れで品質が低下していきます。

  1. 光の攻撃を受けて分子構造が不安定になる
  2. 分子構造が途切れてしまい、分子の一部が浮遊状態になる
  3. 浮遊した分子が、他の分子を攻撃してしまう
  4. 連鎖反応によってオリーブオイル全体の品質が劣化(酸化)

このように、オリーブオイルはとてもデリケートな一面もあるのです。
そして、これは天然である証でもあるのです。

室内照明にも注意
蛍光灯の光が当たっている場所に陳列されたオリーブオイルは品質劣化しやすい

室内照明もオリーブオイルの品質に影響します。
直射日光だけでなく、蛍光灯の光もオリーブオイルにとっては有害な光源となるのです。
そのため、店頭でさんさんと蛍光灯の光が当たっている場所に長時間陳列されたオリーブオイルは、既に品質劣化が始まっている可能性があります。
そのため、オリーブオイルを購入する際は、光の当たらない暗い場所に保管されている商品を選びましょう。これだけの効能がある成分ですから、ぜひ守っていきたいですね。

オリーブオイル購入時の遮光瓶チェックポイント

良質なオリーブオイルを選ぶために、遮光瓶や光環境をチェックしておきましょう。
以下で、とくに確認しておきたいポイントについて解説します。

ボトルの色と材質の確認

プラスチック容器のオイルは避ける。光を通しやすく、油に溶けやすい性質なので、長期間の保存には向かない

オリーブオイルを選ぶ時は、まずボトルの色と材質をよく見てみましょう。

透明なガラス瓶や薄い色のボトルでは光をしっかりと遮ることができませんし、透明なプラスチック容器も同様に光を通しやすいため、できれば避けたいところです。

色が濃ければ濃いほど遮光効果が高い

おすすめなのは、暗緑色や暗褐色(琥珀色)、黒色のガラス瓶に入った商品です。
これらの暗い色は光をよく遮ってくれるので、オリーブオイルをしっかりと守ってくれます。
基本的に、色が濃ければ濃いほど遮光効果が高くなると考えて良いでしょう。

また、瓶の厚みにも注目してみてください。薄いガラスよりも、しっかりとした厚みのある瓶の方が光を遮る効果が高くなります。
手に持った時にずっしりとした重みを感じる瓶は、品質にこだわって作られている証拠でもあります。

缶も光を通さないという理由において、優秀といえることができます。
瓶と違って割れないし軽いという利点もありますが、缶は外の温度を伝えやすいというデメリットもあるので、使い勝手によって選ぶとよいでしょう。

購入場所での光環境の確認
陳列棚で強い照明が当たっているオイルは劣化が早い

商品の陳列環境も確認しておきましょう。

  • 窓際で直射日光が当たっている場所
  • 蛍光灯の真下
  • 明るいスポットライトが当たっている場所
  • ショーケースの中で強い照明を浴びている商品

上記のような場所に置かれているオリーブオイルは、できるだけ避けた方が良いでしょう。
せっかく遮光瓶に入っていても、こうした明るい環境に長時間置かれていると、どうしても品質に影響が出てしまう可能性があります。

逆に選びたいのは、以下の場所にあるオリーブオイルです。

  • 棚の奥の方や影になっている場所
  • 間接照明が柔らかく当たっている場所
  • 涼しい場所で保管されている商品
  • 遮光用のカバーがかけられている商品

さらに、お店の商品の回転率も気にしてみると良いかもしれません。
お客さんがよく来るお店で、商品がどんどん入れ替わっているような場所なら、比較的新しい商品に出会える可能性が高くなります。

遮光瓶と同時にラベルも確認しておきましょう

遮光瓶と一緒に、商品のラベルも確認してみてください。

  • 賞味期限
  • 酸度
  • 認証マーク
  • 産地

などの情報から、そのオリーブオイルの品質やこだわりを読み取ることができます。

ラベルから生産者の品質やこだわりを読み取る

購入後の保存環境

遮光瓶入りのオリーブオイルを購入した後も、適切な保存を心がけてください。
おすすめの保管場所は、以下のとおりです。

  • 食器棚の奥などの暗い場所
  • パントリーの暗い棚
  • 冷蔵庫(固化する場合もありますが品質は保たれます)
  • 専用の保存ボックス内
おすすめ保管場所 光の当たらない暗い棚

一方で、以下の場所は避けたほうが良いです。

  • キッチンの窓際
  • コンロ周辺の明るく高温になる場所
  • 冷蔵庫のドアポケット(開閉時に照明が当たる)
  • オープンラックの見える場所

また、温度管理も重要なポイントで、15~20℃の涼しい環境が理想的です。
高温は酸化を促進させるため、25℃を超える場所での保存は避けてください。

高湿度環境は容器の劣化を招く可能性があるため、乾燥した環境での保存が望ましいです。
使用する際は、できるだけ明るい場所での長時間の放置を避け、使用後は速やかにキャップを閉めて暗所に戻しましょう。

ただし高品質なオリーブオイルを購入した場合は、神経質になる必要はありません。
オイルの力強さ(風味ではなく、品質という意味で)に任せて、使い終わったら棚の中に入れておく、これだけでよいのです。

適さない保管場所 コンロ周辺の明るく高温な場所

適さない保管場所 キッチンなどの窓際

遮光瓶でオリーブオイルの品質を守る

オリーブオイルの遮光瓶は、見た目がおしゃれだからという理由だけで使われているわけではありません。
光に弱い一部のクロロフィルを守り、連鎖的な酸化反応を防ぐという、とても大切な役割があります。

遮光瓶を使っている生産者は、オリーブオイルの特性をよく理解している証拠でもあります。

そして私たち消費者も、遮光瓶の意味を知って、適切な商品選びと保存をすることで、オリーブオイル本来の美味しさと健康効果を最大限に楽しむことができます。

高品質なオイルは風味が良いというだけではなく、このような部分においても大きなメリットがあるのです。

モッジカート農園(Azienda Mozzicato)の工場見学写真。 黒色ガラス瓶・缶容器を使っているのは、生産者の品質へのこだわりです

モッジカート農園(Azienda Mozzicato)の工場見学写真。
品質にこだわって黒色ガラス瓶・缶の容器を使っている

遮光瓶を使う生産者(モッジカート農園)

モッジカート農園(Azienda Mozzicato)の工場見学写真。
黒い遮光瓶にオイルを充填する

中村 裕美(なかむら ひろみ)

オリーブオイル・プランナー/イタリア家庭料理研究家/株式会社オリーブオイル・ストーリーズ代表
イタリア、日本、トルコなどの国際オリーブオイルコンテスト審査員として活動。イタリアの家庭で食べたシンプルな料理が引き立つオリーブオイルに感動しオリーブオイル専門家に。「くちーなHIROイタリア料理教室」主催。著書3冊を出版。

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